男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)とは
病気ではないのに、中高年男性で「なんとなく不調」「突然のほてりや発汗」などが続けば、男性更年期のトラブルかもしれません。女性特有と思われがちな更年期の症状は男性にもあり、”性ホルモン”の低下やバランスの乱れが原因とされています。
男性の場合、男性ホルモン(テストステロン)は一般的に中年以降、加齢とともに穏やかに減少します。
減少の速さや度合い、時期は個人差が大きく、したがって女性と似た更年期症状が男性では、40歳代以降どの年代でも起こる可能性があります。ただし図2に示すように男性と女性の更年期症状には違いがあり、男性ホルモンの減少によるものを、加齢性腺機能低下症、またはLOH症候群と呼んでいます。
男性ホルモンの減少により、下記のような身体、精神、性機能の症状が現れます
身体症状
- 関節症、筋肉痛(痛みを感じやすくなる)
- 疲れやすい
- 発汗やほてり
- 肥満、メタボリックシンドローム
- 頻尿
精神症状
- イライラ
- 不安、パニック
- うつ
- 不眠
- 興味や意欲の喪失
- 集中力・記憶力の低下
性機能症状
- ED
- 性欲低下
男性更年期障害のチェックリスト
男性更年期障害の問診に使われているのが、以下の「AMS(Aging Male’s Symptoms)質問票」です。
| なし | 軽い | 中程度 | 重い | 非常に重い | |
|---|---|---|---|---|---|
| 総合的に調子が良くない | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 関節や筋肉の痛みがある | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| ひどい発汗がある | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 睡眠の悩みがある | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| よく眠くなる、しばしば疲れを感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| イライラする | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 神経質になった | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 不安感がある | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 身体の疲労や行動の低下を感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 筋肉の低下がある | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 憂うつな気分になる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 「絶頂期は過ぎた」と感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 「力尽きた」「どん底」にいると感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| ひげの伸びが遅くなった | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 性的能力の衰えがある | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 早朝勃起の回数が減少した | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 性欲の低下を感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
- 合計点数が17~26点の場合:男性更年期障害ではありません。
- 27~36点の場合:軽度の男性更年期障害の可能性があります。
- 37~49点の場合:中程度の男性更年期障害の可能性があります。
- 50点以上の場合:重度の男性更年期障害の可能性があります。医療機関の受診・治療が推奨されます。
男性更年期障害の治療
体調が悪く、血液検査で男性ホルモンが低い場合には加齢性腺機能低下症と診断されます。職場などのストレスのチェックや睡眠、運動や食事の習慣の改善で症状は改善します。漢方薬やED治療薬、抗うつ薬、眠剤眠剤などが処方されることもあります。著しく男性ホルモンの値が低く、症状が強いときには、テストステロン補充療法を行います。保険治療としてはテストステロンの筋肉注射を2から4週間おきに症状が改善するまで行います。
男子ホルモン値があまり低くなく症状の軽い場合
生活習慣の改善
- まずは生活習慣の改善が必要です。
- 漢方薬:補中益気湯など(生活習慣の改善で症状が改善しない場合)
症状への対処策
- 性機能の低下:ED治療薬
- うつや不安症状:抗うつ薬、抗不安薬など
- 骨粗しょう症予防:骨粗しょう症治療薬
男子ホルモン値があまり低くなく症状の軽い場合
- 男性ホルモン補充法
※保険適用は、テストステロン製剤の筋肉注射のみ








